
「その他の取組」はGマークの隠れた関門。配点は小さくても、1点を落とすと認定に届きません。本記事は「Gマーク取得への道」シリーズ第4回として、業務前自動点呼の血圧・体温測定がなぜこの評価対象となるのかを、運行管理の効率化とあわせて簡潔に解説します。
Gマーク取得への道のシリーズはこちら
第1回→「Gマーク」とは?取得する5つのメリットと申請方法
第2回→巡回指導とは?Gマーク評価(法令遵守・事故実績)との関係と日々の記録対策を解説
第3回→運転日報のデジタル化でGマーク対応を効率化|指導教育と申請準備のポイント
目次:
なぜGマークは「その他の取組」でつまずくのか

ここではGマークの評価がどのような仕組みで行われ、なぜ「その他の取組」が取得の関門になりやすいのかを解説します。
1. Gマークは3テーマ・80点以上で認定
Gマーク(安全性優良事業所)は全日本トラック協会の認定制度です。「法令の遵守状況」「事故や違反の状況」「取組の積極性」の3テーマ・100点満点で評価され、80点以上が認定要件とされています。
| 評価テーマ | 配点 | 基準点 |
| 安全性に対する法令の遵守状況 | 40点 | 32点 |
| 事故や違反の状況 | 40点 | 21点 |
| 安全性に対する取組の積極性 | 20点 | 12点 |
2. 鬼門は「取組の積極性」の構造にある
配点20点・基準点12点のこのテーマは、内部が4グループに分かれています。各グループから最低1項目の得点が必須で、他でどれだけ得点してもグループ4「その他」で1点も取れなければ認定されません。
「その他の取組(項目1):健康起因事故防止に向けた取組」とは

Gマーク認定では、事故防止につながる取り組みも評価対象です。ここでは、評価のポイントや具体的な取り組み内容を解説します。
1. グループ3の健康対策との線引きに注意
グループ4「その他」は最大3項目・各1点で、その項目1が「健康起因事故防止に向けた取組」です。脳検査・心電図・SAS(睡眠時無呼吸症候群)検査などはグループ3で評価されるため、本項目では評価対象となりません。混同すると申請書類の組み立てを誤りやすい点に注意が必要です。
2. 毎日の血圧・体温測定が趣旨に沿った取組
ポイントは「単発の検査」ではなく「毎日続けている取組」であること。健康起因事故は日々のわずかな体調変化から起こり得ます。始業前に全ドライバーの血圧・体温を測り、記録として残し続ける運用は、この項目の趣旨とよく合致します。
業務前自動点呼とは?血圧・体温測定が加点につながる仕組み

ここでは、業務前自動点呼とはどのような点呼で、血圧・体温測定がなぜ加点対象になるのかを解説します。制度の概要と、業務後自動点呼に追加される3つの要件、そして日々の測定記録が申請の裏づけになる理由を順に見ていきましょう。
1. 業務後の要件+3つのシステム要件
業務後自動点呼の要件に加え、業務前では次の3つが加わります。
- 血圧計・体温計と連携し、測定結果と基準値との差異を自動的に記録・保存する
- 血圧・体温・疲労状況から乗務可否を自動的に判断する
- 判断がNGの場合、運行管理者が承認したときのみ点呼を再開できる
2. 測定記録が申請の裏づけになる
毎日の測定データが自動で記録・保存されることで健康起因事故を防ぐ継続的な取組として、申請時の説明資料に説得力が出ます。ただし加点の可否は最終的に地方実施機関の判断や提出書類次第で、「必ず加点される」とは断定できません。あくまで「対象になり得る取組」と位置づけてください。
▼業務前自動点呼について、以下の記事でも解説しています。▼
業務前自動点呼のメリット・デメリット

ここでは、業務前自動点呼を導入する際のメリットと、事前に知っておきたいデメリット・注意点を整理します。加点や効率化といった利点だけでなく、機器コストや運用面のハードルもあわせて確認し、導入を判断するための材料にしてください。
1. メリット
業務前自動点呼を導入することで、点呼業務の効率化や健康管理の強化にもつながります。主なメリットは以下のとおりです。
- Gマークの「その他の取組」で加点対象になり得る
- ドライバー単独で点呼が完結し、管理者の立会工数を削減できる
- 血圧・体温がデータ化され、健康状態を継続的にモニタリングできる
- 自動点呼は「すべて運行管理者が実施」扱いになり、補助者による点呼比率を気にしなくてよい
2. デメリット・注意点
一方で、導入にあたっては初期費用や運用面での注意点もあります。スムーズに活用するために、あらかじめ確認しておきたいポイントは以下のとおりです。
- 血圧計・体温計など追加機器の導入コストがかかる
- 開始1か月は操作習熟のため運行管理者の立会が推奨される
- 加点は保証されず、最終判断は地方実施機関に委ねられる
なお、Gマークは「加点=取得」ではありません。合計80点以上で初めて認定されるため、業務前自動点呼は1点の獲得を目指す有効な方法と捉えてください。
▼以下の記事では、点呼業務を効率化するための対策法を紹介しています。
BSS自動点呼なら「加点」と「運行管理効率化」を同時に実現

ここからは、運行管理システム「BSS(Business Support System)」を提供する立場から「健康起因事故防止に向けた取組」について解説します。BSSは、国土交通省の業務前自動点呼認定(認定番号:JM25-003)を取得しており、事業規模を問わずご利用いただけます。
1. 基準値・閾値を会社/個人単位で設定
血圧・体温の基準値と閾値を、会社・個人の両方で設定できます(例:最高血圧の基準値120・閾値±25)。一律基準では個人差を拾えませんが、個人単位なら「その人にとっての異常」を的確に検知できます。血圧計はオムロン製をはじめとする対応機種、体温計は非接触タイプに対応します。
2. 異常値は自動でNG判断→管理者承認で再開
閾値を超えるとシステムが自動で乗務NGを判断し、点呼を停止。管理者がメール通知を受けて可否を判断し、承認すると再開します。指静脈認証で本人確認しつつ24時間実施できるため、早朝・深夜でも管理者の常駐は不要です。
3. 今ある機器を活かして低コストで導入
導入コストが不安でも、既存のアルコール検知器や防犯カメラを活用できます。新たに必要なのは血圧計・体温計など不足分だけで、現実的なコストで運用を始められます。
業務前自動点呼とGマークに関するよくある質問

ここでは、業務前自動点呼とGマークの関係について、事業者の方からよく寄せられる質問に回答します。
Q. 導入すれば必ず加点されますか?
A.可否は提出書類と地方実施機関の判断によります。ただし毎日測定・記録し、異常時に乗務を止める運用は評価対象になり得ます
Q. Gマークがなくても実施できますか?
A. できます。Gマークの有無を問わず実施でき、むしろ健康チェックの取組自体がGマーク加点の材料になり得ます。「取得してから自動点呼」ではなく「運用が取得を後押しする」と捉えると効果を理解しやすくなります。
Q.今使っている機器はそのまま使えますか?
A. 多くの場合そのまま活用できます。BSSは複数メーカーのアルコール検知器と連携でき、既設の防犯カメラも要件を満たせば流用可能です。新たに必要なのは血圧計・体温計など不足分だけで、コストを抑えて始められます。
まとめ:自動点呼で「その他の取組」の1点を確実に押さえる

「その他の取組」は配点こそ小さいものの、落とせない関門です。業務前自動点呼の毎日の血圧・体温測定は、その1点につながり得る現実的な打ち手といえます。BSSならデータ蓄積が申請の裏づけになり、既存機器で低コスト導入も可能です。「あと1点」の取り方やBSSの活用イメージは、個別のご相談(無料)も承っています。お気軽にお問い合わせください。
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