運送業を営んでいる事業者の方々にとって
面倒な業務の一つに「拘束時間管理」があるのではないでしょうか。
この「拘束時間管理」、インターネットの検索サイトで
検索頂くと分かるように運輸/運送業に関連するものしか
検索がヒットしません。
ご周知のとおり、一般的な事務所勤務のように
毎日定時からの始業するわけではない運輸/運送業は
拘束時間の計算が一筋縄ではいきません。
今回は運送業における拘束時間の管理方法について
記載してみようと思います。
運送業のおける労働時間のルール
① 拘束時間(始業から終業までの時間)
・1日 原則13時間以内(最大16時間)
・15時間越えは1週間2回以内
・1カ月 293時間以内(※一部例外あり)
②休息期間
・継続8時間以上(分割の場合は最低4時間)
③運転時間
・2日平均で1日9時間以内
・2週間平均で1週間44時間以内
④連続運転時間
・4時間以内
などが主だったものとしてあります。
※もしご不明な点がありましたら各都道府県トラック協会の
適正化事業の方へご相談を頂くのがベストです。
拘束時間の管理者は要チェック!よくある間違い!
弊社アネストシステムも運送事業者の方より
労務関連のご相談を多数頂くのですが、
その中でよく勘違いされているケースをご紹介します。
①出庫時刻=始業時間ではない/点呼時刻=始業時間ではない
拘束時間管理をする上でどこが始業時刻なのが重要なわけですが、
始業時間はデジタコやチャート紙のスタート時間でありません。
また点呼時間でもありません。
出勤→出発前点検→点呼→出庫という流れになりますので
当然ですが、出勤=始業時間になります。
②同時点呼!?はない!
拘束時間管理の部分とは直接関係ないのですが、
点呼執行者1人に対して、ドライバー2人が同時に点呼を
受けることはありません。
点呼簿を見させて頂いていると記入ミスなのか
同時時間に同じドライバーが点呼を受けていることがあります。
現実的には絶対にないので、
点呼簿の記入ミスも減点対象ですので要確認です。
③24時間ってどこが起点?
1日24時間ですが、不規則な勤務形態の運送業では
始業の時間から24時間が1日となるのが原則です。
そのため1日目が10:00始業18:00終業、
2日目が8:00始業の場合、1日目の拘束時間は10:00~18:00の
8時間+2日目の8:00~10:00の2時間も加算され
合計10時間が拘束時間となります。
※休憩時間を加味しないで記載しました…
重複している時間も2日目の拘束時間となるために
計算がややこしくなってきます…
また国交省は始業時間から24時間が1日ですが、
厚生労働省は0:00~24:00を1日と考えますので、
そのあたりも少し難しいところではあります。
ドライバーの拘束時間を管理する方法
拘束時間管理には大きくわけてチャート紙などの情報を
パソコンなどにインプットして管理する方法と
デジタコの情報を活用する方法と2つあります。
方法①エクセルシートを使った管理方法
北海道トラック協会がホームページで公開しているエクセルシートです。
このエクセルシートに始業時間と終業時間を
インプットすることにより、
1日あたりの拘束時間の判定
1日あたり15時間以上の運行の警鐘
1カ月の累計拘束時間の計算
が出来るようになっています。
基本的な部分を押さえるだけでも十分活用出来ますし、
日配やダンプやミキサーなどの建設系をされている
運送事業者様には向いているのではないかと推測します。
方法②デジタコを使った管理方法
デジタコデータを活用した拘束時間管理です。
デジタコは走行データを取得しており、
フロントパネルに作業ボタンがあります。
ドライバーさんにフロントパネルにある作業ボタンを
押してもらうことにより休憩なのか作業なのかを
自動判定し、それを元に拘束時間を管理します。
デジタコはカード式の場合はドライバーさん固有のカードがあり
それでドライバーさん個人を特定します。
通信型タイプのデジタコでも免許証をかざしたり
自分の社員番号などを入力することにより
ドライバーさん個人を特定します。
弊社が取り扱っておりますデジタコでも
必要最低限の操作で対応できるようにしておりますので
ドライバーさんに負荷をかけることなく
ご使用頂くことが可能です。
いかがでしたでしょうか。
ある運送事業者様を訪問した際に拘束時間管理表の作成が
面倒で後回しになってしまっているや、
一番面倒くさい作業、手間がかかる作業と思われていました。
しかし意外や意外、デジタコを入れるだけで
こんなにも楽になったというお声もよくお聞きします。
もし同じようなお悩みをお持ちでしたら
お気軽にお問い合わせください。